2008年01月28日

溜まりゆく本に想う

一つ前に書いた吾妻ひでおの本もそうだが、学生時代の本は全て実家のどこかの段ボール箱の中に眠っている。「捨てないでくれ」という約束を親がこっそり破ってなければだが。

実はこの正月に実家に顔出したときに一箱持って帰ってきた。
母親が「これもういらないよね」と見せてきたのだが、覗いてみたら読み返したい本が色々あったので。というか、持って帰らないと捨てられそうだったので(笑)
小松左京に、チャンドラーの銀河辺境シリーズリバーワールドもある。

古ぼけた文庫本だし、中には古本も混じっているから、価値は古紙に毛が生えた程度だと思うが、もう読みたくても手に入らないものばかりだからねぇ。
やっぱり本は捨てるもんじゃない!と思いつつ念のため、Amazonで検索したら小松左京とかはハルキ文庫で結構復刻されていた。でも店頭じゃなかなかお目にかかれないし、と強がってみたり(笑)。

こんな本がまだまだ実家に眠っている(はず)。小松左京は高校時代に大ファンだったから当時に文庫で出てたものはほとんど買っているし。
全部持って来たいが、今の自分の部屋も本や物であふれて、部屋の中を移動するのも困難な状況なのだ。ううむ、やはりスキャンしてデジタル化?
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2007年10月11日

『神様のパズル』と『メシアの処方箋』読む

機本伸司『神様のパズル』『メシアの処方箋』の文庫版を続けて読んだ。

神様のパズル
ハルキ文庫(2006/05)

面白かった
宇宙創造という巨大なテーマが、さえない大学生の日常生活の中で淡々と進んでいく。こういうのも有りか、と言う感じ。
難を言えば、登場人物が皆、魅力がなくて、感情移入も愛着を持つ事もできないくらいかな。

あまりにも面白かったので期待して続けて二作目を読んだ。

メシアの処方箋
ハルキ文庫(2007/05)

・・・あれ?
始めはたしかに面白かった。宇宙の次はメシアを作るのか、とわくわく読み進めたのだが・・・話が進むほどリアリティが欠落していく。

『神様の…』で感じた欠点がモロに表面に出ている感じ。登場人物が、ベタベタのステロタイプで、薄っぺらで、さらに致命的な事にまったく魅力的でない。
そしてなんとも実に強引なストーリ・・・

それでも、アイデアが面白ければ、なんとかなってしまうのがSFなんだけど、アイデアは前半で出尽くして、あとは何の驚きもない。ラストに何か待っているに違いないと期待したのだけど・・・空ちゃん生まれて以降、ばっさり切ったほうが良かったくらいじゃないかなぁ。

三作目の『僕たちの終末』、ネットで書評を見る限り、同じ路線を突き進んでるみたい。ううむ、文庫が出たら読んでみるかなぁ。
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2007年09月21日

武部本一郎展 〜紙芝居からSFアートまで〜

仕事の合間に(強引に)弥生美術館で開催中の『武部本一郎展』を観に行ってきた。
小さな美術館だったけど、一階と二階が展示場。一階は紙芝居とか児童書の挿絵とか古い作品。そして二階はE.R.バロウズなどのSFの挿絵。

懐かしい作品の原画が見られて満足。火星のプリンセスの表紙の原画が、こんなに小さかったなんて、とか、産霊山秘録、この挿絵の入った本が欲しい、とか、とにかく楽しい。

絵葉書が5種類売ってたのだけど、火星のプリンセスの表紙の奴は売り切れ。ポスターも売り切れ。
もう展示会、終り間近だから仕方ないか。

なんとなく悔しくて、火星のプリンセスの合本版を買う。ひさびさに読みたくなったし。

今月いっぱいなので、まだ行ってない人は慌てて行くべし(笑)

(オマケのリンク) 34年目のデジャー・ソリス(東京創元社)
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2007年05月08日

神林長平『膚の下』読む

あと少しでGWに突入してしまった『膚の下』、GW明けた本日読了。
(私の読書時間は通勤電車)

膚の下 (上)
(下)
神林 長平 (著)
早川書房 (2007/03)

『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』そして本書で、20年がかりで三部作の完結。
両方とも読んだ記憶はある。特に本書にかかわる『あなたの魂・・・』のラストは印象に残っている。覚えてて良かった(笑)

で、だ。正直、長かった。
つまらない訳ではないが、文庫上下それぞれ600頁だからねぇ。半分か、せめて3分の2くらいにまとめた方が良かったんではないかなぁ。

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2007年04月21日

『老人と宇宙』おもしろい!

さほど期待せず(笑)読んだ本が面白いとすごく得した気がする。
その前に読んだ『反逆者の月』よりよほど面白い。

老人と宇宙
ジョン・スコルジー(著),内田 昌之(訳)
早川書房 (2007/02)

帯に書かれた21世紀版『宇宙の戦士』という言葉に釣られて買ったが、聞いたこと無い作者だったし、正直期待してなかったのだが、面白かった。

もっとも『宇宙の戦士』ははるか昔に読んで、面白かったという記憶は残っているが、ストーリはパワードスーツ着て昆虫型宇宙人と戦ってたくらいしか覚えてないというていたらくで情けない限りなのだが、本書を読んでる間、あの名作(迷作?)映画『スターシップ・トゥルーパーズ』が常に脳裏によぎり続けたので、帯のコピーもまんざらウソではないのだろう。

本書をまともに映像化したら『スターシップ・・・』みたいになると思う。ちょっと観てみたい(笑) ただ、『スターシップ・・・』ほど設定も考証も無茶じゃないから、安心して読める。

ちなみに『スターシップ・トゥルーパーズ』は大好きな映画です(笑)
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2007年02月14日

『神は沈黙せず』ちょっと前に読む

年の初めに読んだ本がなかなか面白くてラッキーだった。

神は沈黙せず<上> <下>
山本 弘 (著)
角川書店 (2006/11)

著者は私の中ではトンデモ本のと学会のイメージが強く、この本も小説版トンデモ本といった感じもあるが、小説として面白いのでOK。
正直言って、前半つまり上巻の方が面白い。膨大なデータで既存のオカルトや疑似科学を否定しつつ、では超常現象とか何なのかを問う辺り、さすがと言う感じ。

しかし、後半の未来の社会や経済のくだりは少々かったるい。もっとテーマ絞ってこの辺りはさらっと流してくれれば良かったのになぁと思う。
あと、さすがにモアレはきついのでは・・・不確定性原理とか量子論とか絡めて大きなウソをでっちあげれば、もっとSFっぽくなったんじゃないかと。もともとそういうの、狙ってないかも知れないけど。
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2006年11月28日

SF『ゴールデン・エイジ〈1〉幻覚のラビリンス』

600頁を越える厚さと翻訳の悪さもめげず一気に読めた。

ゴールデン・エイジ〈1〉幻覚のラビリンス
ジョン・C. ライト(著) 日暮 雅通(訳)
早川書房 (2006/10)

アマゾンに何気にレビュー書いたら即公開されているようなので、ここでは面白かったとだけ書いておこう。
アマゾンのレビューって投稿から公開まで、以前はタイムラグがあったように思ったけど、最近は無くなったのかな?
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2006年11月02日

『移動都市』読了

最終戦争から一千年後の未来。キャタピラを付けて移動する都市たち。都市を渡る飛行船。そして甦った先文明の兵器。
思いっきりSFしてる設定だけど、話しは冒険ファンタジーという感じ。

移動都市
フィリップ・リーヴ(著) 安野 玲(訳)
東京創元社 (2006/9/30)

映画化が向いてそうな作品。移動都市ロンドンをぜひ見てみたい。
いやでもアニメの方が向いているかな。
四部作だそうで続編がちょっと楽しみ。
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2006年08月10日

SF魂、いつまでも

高校時代は小松左京を中心に日本のSFにはまってた。ちょうど、角川文庫に小松左京の作品がどっとあった時期(歳がばれる 笑)で片端から読んでた。
しばらく前にWebで見た写真は、ずいぶんお歳をめされたなぁという印象だったけど・・・『日本沈没』がまた映画化されたせいかこんな本が。

SF魂
小松 左京 (著)
新潮社 (2006/07/14)

『“巨匠”が語る、波瀾万丈のSF半生記』だそうで・・・200頁弱の新書だから半生記にしては軽いけど、ファンとしては楽しめた。

ただもう少し自作の解説を期待したけど、それはさほど無し。まぁ、作者が自作を語りすぎるのもなんだけど。

また小松左京の本が読みたくなってきたけど、今はあまり本屋に無いみたいで。
こんなのも気になるけど高いし・・・『小松左京全集 完全版』
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2006年05月26日

武部本一郎 SF挿絵原画蒐集 下巻も入手

やっと買えました、武部本一郎画伯のSF挿絵原画蒐集 下巻
武部本一郎SF挿絵原画蒐集〈下〉1974~1979
武部本一郎SF挿絵原画蒐集〈下〉 1974~1979

武部本一郎著 加藤直之監修
ラピュータ(2006/5)

上巻よりさらに高くなってたけど、ぜんぜん気にしませんよ、はい。
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2006年05月17日

武部本一郎 SF挿絵原画蒐集!!!

日本SFアートの父、武部本一郎画伯の SF挿絵原画蒐集(上)をやっと入手!!
というか、3月に発売されてたなんて気がつかなかった。下巻の広告でやっと気づきました。まさか今頃、 武部画伯の本が出るとは思わなかったもんで。

とにかく武部画伯の絵には、並々ならぬ思い入れがあります。
なにしろ私の中で『理想の美人』とは、画伯の描く美女そのものなのですから。
そう刷り込みされてしまっているのです。

武部本一郎SF挿絵原画蒐集 1965~1973〈上〉

武部本一郎SF挿絵原画蒐集 1965~1973〈上〉
武部本一郎著 加藤直之監修
ラピュータ(2006/3/30)

ああ、でもこのカバーの女性は、私が言うところの理想の美女ではありません。
なぜこの絵がカバーなんだ・・・いや、絵としては素晴らしいんだけど。

とりあえず美女はここ見てください(笑)

でもこの本は素晴らしいです。画伯のSF文庫用の挿絵が500頁弱にたっぷりです。
下巻は18日発売予定、今度は出遅れないようにしないと。

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2006年01月15日

SF『日本沈没』ひさびさ再読

今年再び映画化されるということでひさびさに文庫本で出版されたらしい。懐かしくて読んでみて面白さを再確認。やっぱり小松左京は面白かったなぁ。

日本沈没 上日本沈没 上 
小松 左京(著)
小学館 (2005/12/06)

初めて読んだのは映画がやってた時だから小学生。当然、ストーリーを追うので精一杯。次に読んだのはたぶん高校時代。この頃は小松左京を読みまくってました。

そしてこの歳になって読んでみると、また違った面白さが、というか本来の凄さが判ったように思える。

『復活の日』も読みたいなぁと思ってるんだけど、電車の中で涙ぐみそうでなかなか手が出せない(笑)
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2005年12月31日

人類の遥か未来に思いを寄せて、SF二題

人類の遥か未来、それももはや姿形も変わり果てた人類の未来の歴史を描く、というのはまさにSFの醍醐味の一つなんだと思います。
そんな本を続けざまに読みました。

ディアスポラディアスポラ
グレッグ・イーガン(著), 山岸 真(訳)
早川書房 (2005/09/22)

人類の未来像を描くにあたり、コンピュータの進歩が与えた影響は大きいですね。つまり、人間のデジタル化。本書では人は物質的な存在を放棄し、さらにこの宇宙からすら離れていきます。
帯に書かれた「あらゆる文学形式の中でSFだけが与えうる深い感動。そのもっとも純粋なかたちがここにある」はけして言い過ぎではないと思います。


悠久の銀河帝国悠久の銀河帝国
アーサー・C・クラーク & グレゴリイ・ベンフォード(著), 山高 昭(訳)
早川書房 (2005/09/09)

人類は肉体を持った生物として進化していき、生物は宇宙に広がっていく。ディアスポラと比較すれば古典的な人類の未来像と言えるかもしれませんが、それが古臭いとか間違っているという意味ではなく、どちらも可能性の一つ・・・なんでしょうね。

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2005年08月31日

SF『宇宙戦争』 H・G・ウェルズ (著)

先日、映画を観て、なんとなく原作を読んでみました。予想外の面白さ

宇宙戦争宇宙戦争』H・G・ウェルズ (著), 小田 麻紀 (翻訳) 角川文庫

映画もなかなか悲惨な話しだっけど原作に忠実だったんだと判りました。子供の頃に読んだのは子供向けのソフトな奴だったんですね。

映画に合わせて各社から出てましたが、店頭で見比べて、雰囲気の良さそうだった角川文庫版を選びました。結構、感じが違うので自分に合うのを選んだほうが良いかと。

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2005年08月12日

SF『サマー/タイム/トラベラー』 新城 カズマ (著)

夏にぴったりの一冊。SFファンの、それもSFの読書が好きな人にお勧めの夏休み小説ってとこでしょうか。 サマー/タイム/トラベラー

サマー/タイム/トラベラー (1) (2)』 新城 カズマ (著) ハヤカワ文庫

片田舎の街を舞台に早熟な高校生達のひと夏の物語、
などと書くと、引いてしまう人もいると思いますが、私自身も現代の高校生が主人公の小説はちょっともう感情移入できなかったりするんですけども、この本は結構すんなり読めました。
高校生と言っても、いわゆる今風の高校生ではないですね。とんでもなく本を読んだり、時間旅行について議論したり。

それになによりメインテーマが"時をかける少女"ですから(笑)
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2005年06月17日

SF『火星の土方歳三』吉岡 平

火星の土方歳三』吉岡 平(著) ソノラマ文庫

非常に誤解を招きやすいタイトルの本で私も誤解してました(笑)
実は、E.R.バローズ火星シリーズの舞台で、新撰組の土方歳三が大活躍をする、という・・・誤解じゃなかったって?いや誤解です。いたって真面目な火星シリーズ物です。パロディーではありません。火星シリーズ外伝と呼んでも可笑しくないできです。

火星シリーズ・ファンは騙されたと思って読むべき。
火星シリーズを知らない人は・・・まずこっちを。

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉』エドガー・ライス バローズ (著) 創元SF文庫

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2005年05月31日

日本SFの傑作『神狩り』山田正紀

30年ぶりに続編が書かれたという事で本作の方も久々に刷られたようです。思わず本屋で懐かしくて買ってしまいました。

神狩り』山田正紀(著)ハヤカワ文庫JA

神という超越的存在を言語の論理レベルから表現しようとするアプローチ、クールなようで熱い登場人物達、ラストでは実は〇〇の〇〇も神の文字だったという展開・・・やはり傑作は時が経っても面白い。前に読んだのは軽く20年以上前ですから、ちと心配してたのですが。

悩ましいのは新作の『神狩り 2 リッパー』、まだ未読です。
基本的に私の読書タイムは通勤電車の中なので原則ハードカバーは買わないのですが、神狩り2は例外として買っていいかも・・・でも期待を裏切られた時のショックが大きそうだし・・・
posted by TOYO at 23:21| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(2) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月22日

SF 『太陽の簒奪者』 野尻抱介

太陽の簒奪者』 野尻 抱介 (著) 早川書房



日本の作品でひさびさにSFって感じ。
単行本で出たときから気になってたのですが、やっと文庫になりました。

読んでたらなぜか『トップをねらえ!』を思い出しました(笑)
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